密かに噂のタンカイザリガニを探した。
滋賀県、淡海湖のタンカイザリガニ
ついでだし・・
今回は滋賀県の北西、高島市までウグイの遡上を見にやって来ました。
春も進み暑くて川に飛び込みたい気分でウグイを探していた時
「そういやこの川の上流って淡海湖だよなぁ」余計な雑念が頭をよぎる。
「たんかい・・ ザ、ザリガニ!」思い出してしまう。
そう。高島市には西日本(滋賀県より西)で唯一ここにしか居ないザリガニが生息しているのである。
こうなってしまっては見に行くしかない。いや、行きたい衝動を抑えられるはずがない。
って、ことで淡海湖まで車を走らせる!
ええっ!雪⁈
琵琶湖の畔に居た時は暑くてたまらなかったというのに、ここではまさかの雪景色。
流石の豪雪地帯ですね・・・
淡海湖の周辺の川で早速ガサガサ開始!
これは居そうだ。
倒木や岩がゴロゴロしている。
岩をひっくり返して網をガサガサします。
おお!生物はしっかり居るぞ!
後は奴が来てくれれば・・
って、キターーー!!!!!!!!!!
まさに突然だ。雷に打たれた様な衝撃が全身を駆け巡る!
独特の丸みを帯びたハサミ、幅の広い腹部、錆びた鉄のようなオレンジ!
「これがタンカイザリガニだ!」
と、言ったものの実はこいつの本当の正体は・・・
カナダやアメリカ北部を原産とするザリガニで1920年代頃から日本に持ち込まれたと言われています。
メスですね。
卵をを抱えています
外来種とは言え、ついに人生で初めて出会えた嬉しさに感極まり、涙が出てくる。
カッコイイ。この力強そうなハサミを見たかったのだ。
まじまじと眺めてこの嬉しさをかみしめた。
結局タンカイザリガニってなんなの?
結論から言いますと種としてはウチダザリガニです。
しかし当時知らないうちに淡海湖に住み着いたウチダザリガニは地元ではタンカイザリガニと呼ばれ珍しいザリガニとして保護されていました。
しかし近年の調査でウチダザリガニであることが分かり駆除するべきだという意見も出たようですが、長年保護してきた地元住民は反対したようです。
そもそもですが、ウチダザリガニ(タンカイザリガニ)は日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されるほど環境を破壊する恐れのある危険な生物です。
しかしながら淡海湖の下流に位置する琵琶湖で繫殖して増えた事例はありません。
ウチダザリガニの本来生息する環境は夏でも涼しく水温が高くならない水域です
そのため暑さに弱く、琵琶湖の環境で繫殖するのは難しいのです。
今回観察したウチダザリガニがいる淡海湖は豪雪地帯である上に、標高450m程に大きな水域がある特異な環境だからこそギリギリ生息出来る状態であり、それ以上の周りの環境に増える可能性が低い訳です。
そのため緊急に撲滅するほどの必要性は無く、細々と生息して今に至るようでした。
今回のタンカイザリガニことウチダザリガニの観察に行くまで2回トライしたものの
いずれも雪に阻まれて断念した事もあり、今回の感動は最高のものでした。
外来か在来か、そんな隔たりも超えて改めた生物の素晴らしさを実感できたと思います。